ジャーロ6、7,8、9月号(ご本人による解説)
EQつまりエラリー・クィーン・ミステリ・マガジンの後釜になった光文社の季刊雑誌。
連作の話をいただいたのは、これにて撤退……の時のEQにミステリ関係のアンケートがあり、それへの答えが担当さんの目にとまったからじゃないかと思う。具体的にいうと、エリス・ピータースの歴史モノ『修道士カドフェル』シリーズが好きだと書いたものだから、光文社で出している別の「歴史モノ」『密偵ファルコ』シリーズのぶんこに解説をかかないか? というてもらったわけ。ちなみに、そもそもミステリ関連のアンケートが(ミステリ作家ではないわたしのところへ)きたのは、『ヒロインで読むミステリ』という本を出していたからじゃないかと思う。好きなことは好きだとなるべく大きな声でいっておくにかぎる。
そんなこんなでファルコの金色本の何冊めかに解説をかかせていただいた。さらに、担当さんが、創刊なったジャーロ(これはイタリア語でキイロという意味)を最初の号からおくってくださったので、こまかに感想を書いておくったら、しごとをもらったのであった。
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めざしたのは『ド田舎警察の女署長はNYがえりのべっぴんサ!』の路線、つまり「ド田舎コージー」だったのであるが、登場人物の多さのわりにページが少なくて(それでも一回分100枚あるのだが)未消化になってしまったことはいなめないと思う。
ただ、搾乳ヘルパーという職業、乳牛を育てて牛乳を売る酪農という職業に関して、「コンビニで牛乳パックを買うだけ」では見えてこないところを見せたい、というキモチは純粋だった。
そうしてわたしにしては珍しく牧場取材などにもでかけ周到に準備していたら、狂牛病が日本上陸してしまった……の、ほんとうにたまさか偶然でまったくわたしのせいではない。
『いつか海にいったね』で「感染症蔓延の恐怖」について描いたら、たんそ菌がうんぬんって話が出てきてしまった時と同様、「どうせカブるならもっとしっかりカブってくれたらニュース番組とかで『こんな予言本があった!』ってとりあげてくれるのに」……と不謹慎なことを思ってしまったことは否めない。 |