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『君がいる風景』
> 平谷美樹著
> ISBN 4-257-76972-6
> 朝日ソノラマ
> 495円
> '02/7/31

 粗筋:
 好きだった美鈴を中学生の時に失ってしまった高村哲哉は、ずっとそれがトラウマとして残っていた。25歳の同窓会の集まりの時、中学時代に仲間だった三人とともに鏡の前である願い事を念ずるが……
 気が付いたとき哲哉は、自分が中学三年の時に戻っていることを知る。しかしその過程で、美鈴の死にまつわる記憶が消えてしまい、彼女を何から遠ざけておけば良いのか判別がつかなくなってしまう。

 ちょっと北村薫さんの『スキップ』を思い起こしました(反対ですが)設定そのものは西澤保彦さんの『異邦人』と近いかも知れませんが。上手いと思ったのは、なぜか思い出せない記憶を小出しにしていくところ(^o^)/これがサスペンスを盛り上げて行ってますよね。これから起こることが全部分かってしまっていると、どうしても展開が難しくなりますし。
 それにしても、中学生時代の情感が瑞々しく、リリカルに描かれているのには驚きました。私なんか、もう遙か遠い昔の出来事です(^_^ゞポリポリ