橋元淳一郎の月例報告26回目、2002年7月分 
 7月も慌ただしく過ぎました。仕事が捗っているような、いないような、目に見えぬ何かに追われて生きている、そんな毎日です。しかし、レストランと映画館と自然に恵まれた我が家近辺の環境には、大満足しています。あとは本屋さえあれば、なんですが……。
●7月1日
 東進衛星予備校の2学期テキスト原稿に追われる。
●7月3日
 トリオ・クォーク(ヴァイオリン:山口涼子、チェロ:大町剛、ピアノ:橋元泉穂。賛助出演:中田恵子)の第2回サロン・コンサート。'Dionysus'にて(我が家の狭い地下室のことである)。聴衆は京子を含めて15名。曲目、メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲、他。クラシック中心とはいえ、部屋の名前から分かるように、アルコールOK。アット・ホームで楽しいコンサートであった。
●7月5日
 K社物理、H社文庫本などにとりかかる。しかし、先はまだまだ長い。しんどい夏になりそうだ。
●7月7日
 SFマガジン連載『プラトンの洞窟』9月号原稿、なんとか仕上げて送付。
 K社物理、H社文庫など、今日は8時間近くも執筆。ビールを浴びて寝る。
●7月8日
 S社新企画にも取りかかる。
 京子、発熱つづき、突発性発疹と診断される。保育所の生活が、精神的にも肉体的にもきついようだ。虚弱で軟弱で人間嫌いの性格を父親から引き継いだようだ。
●7月10日
 久しぶりに梅田のジュンク堂へ。相対論の本などまとめて購入。「力学ノート」が新刊の棚に平で置いてある。さすが講談社である。しかし、こんな本を一般の人が買うはずもなく、むしろ「人類の長い午後」などは置いて欲しかったのに、複雑な心境である。世の中、ままならない。
●7月11日
 JR住吉駅ビルのジュンク堂がリニューアルしたというので行ってみると、これが何と梅田ジュンク堂スタイルなのでびっくり。休憩用のいすがずらりと並んだ全面ガラス張りの窓からは、六甲の山並みが見渡せる。もっとも、実用書は充実していても、専門書はほとんどない。大阪の人ごみにうんざりして神戸に来たのだが、こと書店に関しては、梅田に出るしかないようである。
●7月12日
 ムカデ退治の砂は、効果があるようである。ベランダで巨大なやつが断末魔の悲鳴(?)をあげてのたうち廻っているのを目撃。ほかに2匹ばかりの死骸を家の周囲に発見。
●7月12−13日
 東進ビデオ収録のため上京。宿泊は東急インから第一ホテルに変更。東急インは、駅から近いだけが取り柄で、サービスは今ひとつである。コスト削減策が見え見えなのに、「環境を守るために」などという表示があちこちにある。偽善である。一方、吉祥寺第一ホテルは何かとサービスよく、とくに朝食は、とてもうまい(朝食抜きが常のぼくが、はまってしまった)。
●7月15日
 G社次企画にも取りかかる。
 連れ合いとMOVIX六甲で「エピソード2」を観る。こういう映像で、ハンフリー・ボガードやアンソニー・クインなどの性格俳優を起用して、レムの哲学的SFを映画化したら、しびれてしまうだろうな。ないものねだりというものだが。
●7月16日
 久しぶりに長編構想に没頭。しかし、こんなペースでは、いつ完成するか分からない。
●7月18日
 延びのびになっていた高校訪問を片付ける。電車とバスを使っていては1日で行けるはずもなく、車で須磨、明石、高砂くんだりまで5校を訪問。源氏物語に浸る気分ではなく、明石大橋など目にする余裕もなく、ぐったり疲れて帰宅。やれやれである。
●7月23日
 K社物理、付録の「数学的準備」を脱稿。grad, div, rot の直感的イメージ、うまく書けたかどうか。
●7月24日
 連れ合いと、久しぶりにオーキッド・コート「去来花」で夕食。
●7月26日
 連れ合いと、「トップ・オブ・シェラトン」で昼食。
 ひきつづきMOVIX六甲で「タイムマシン」。いろいろな批評があるようだが、まあ、SF映画は楽しめればよろしい。合格点。
SFマガジン9月号「プラトンの洞窟」(45)論理的言語を失ったら世界はどう見える?
●7月28日
 終日けだるく、仕事にならず。京子と昼寝。
●7月29日
 朝、キッチンにて、ぼくの湯呑みの中に巨大なゴキブリが鎮座。引越し後、初登場。ムカデに慣れてきたから、ゴキブリなどでたじろぎはしない。
 久しぶりに東急オアシスで水泳。スポーツクラブというのはどうも馴染まないし、時間もないので、退会することにしたのだが、8月末までは会費を取られるということで、それならということで泳ぐ。しかし、やっぱり散歩がいいなぁ。
●7月30日
 夏休みというのに大学へ出校。レポートの採点。毎度のことながら、数百枚の採点は、気が遠くなる。紙ヒコーキを作ろうという誘惑を、かろうじて抑える。
●7月31日
 読書「虚無の信仰」。ヨーロッパ人が仏教をどう捉えたかという論考であるが、ぼくの興味とはだいぶずれていた。それにしても、読書時間があまりに少なすぎる。学生のことを言っている場合ではない。
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