橋元淳一郎の月例報告9回目、2000年12月分 
●11月26日 SFマガジン1月号連載「プラトンの洞窟(25)ジョン・ロックから学ぶこと」
●12月9日 マンション管理組合の理事会。みっちり5時間、さまざまな議案を検討。
 大学の教授会と比べるとなんと実質的かつ効率的なことか。
●12月16日 「週刊プレイボーイ」の記者が来訪。これから1000年どうなるかの取材。
 1月11日発売号に掲載予定。熱心なSFファンでぼくの本もよく読んでくれている。
 今時殊勝な編集者である。
●12月17日 芦屋セシリアホールにてヴァイオリンの発表会。ピアノを弾く小さな子
 供たちに混じって、バッハの「ブーレ」を弾く。
 伴奏をしたつれあいの評によると、素晴らしい出来だったとのこと。信じておこう。
●12月20日 大学教授会のあと所属の現代社会学科の忘年会。
 今年出席した唯一の忘年会である。
●12月25−26日 京子の面倒を岳母に見てもらって、つれあいと横浜・鎌倉の一泊
 旅行。今年唯一の旅行である。往の新幹線で美川憲一と同じ車両だった。
●12月26日 SFマガジン2月号連載「プラトンの洞窟(26)哲学するには人生降りるし
 かない時代」
●12月28日 久しぶりに京都先斗町のバー「クラブデゼール」へ。
 シングルモルトのグレンリベット45年もの、コニャックのポールジロウ・ヘリテイジ(50年)、
同じくコニャックのレイモン・ラニョール1906年ヴィンテージと、久しぶりに極上の酒を味わう。
こういう酒をさりげなく置いてあるバーは、多分日本でここだけではないか。旨い酒を追求す
るマスターのプロ意識に頭が下がる。
●12月29日 ようやく年賀状を書き上げて投函。子供の頃は嬉々として版画を彫ったりし
たものだが、近年、おっくうになるばかり。人生4割降りているのだから、そろそろ義理の賀
状は止めたいものだ。
 学研編集部よりfax。高校の先生からの投書で、「橋元の物理」は素晴らしいとの内容。
こうした投書と印税報告を受取るたびに、ただただ有り難いと思うのである。
●12月30日 東進ハイスクールから「橋元の物理をはじめからていねいに(熱・波動・電
気編)」の初校ゲラが宅急便で届く。こうしたゲラを受取るたびに、有り難いけど、ただただ
しんどいなぁと思うのである。
 窓ガラスを拭いて、風呂の掃除をして、それから狭い書斎にこもって長編構想。
●12月31日
 千年紀の変わり目にもかかわらず、世の中は少しも面白くない。
 歳を取ったせいか、それともほんとに日本の社会が、政治から芸能界からSFまで、堕落
したのか。よく分からぬが、ともかく西暦2000年の総括。
  単行本「われ思うゆえに思考実験あり」(早川書房)、
「橋元の物理1Bをはじめからていねいに(力学編)」(東進ブックス)、
「演習決めるセンター物理」(学研)と、一応目標の3冊達成。
 そして最大の出来事は家族が一人増えたこと。
 京子、本日7170グラム。
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